経営者15周年と経営者としての成長
本日、スカイアーク第16期、ファームノート第7期がスタートしました。そして私の経営者人生16年目の節目となります。
この立場に15年立たせていただき、社員の皆様、お客様、パートナー様には心より感謝しております。
15年間、本当にいろいろなことがありましたが、この一年が15年の中で最も経営者として成長できた実感があります。まぁそもそも15年前はここまで社長やるなんて考えてもいませんでしたけどね笑
この一年間での気づきは、
人生とは、誰かになることではなく、最高の自分を目指すこと。
つまり自分らしく天賦の才に従って行きていくことがとても大切だと学びました。
不安の本質を知ることが本当のビジョンを知る近道
曖昧さの許容により、成長は加速する事に気づきました。自分のエゴの本質が分かると、不安やこだわりが薄れていきます。それらが無くなれば無くなるほど、本当の自分の輪郭が強く見えるようになっていったのです。
生きるをつなぐというビジョンは、私は子供の頃からコンピュータが大好きで、人と動物と自然が好き、コンピュータを使って人・動物・自然をより良くしたい、ただそれだけなんだと理解できました。その為の天賦の才として、私には新しい事を学ぶ力、人に教える力、ビジョンを示し人を導く力が備わっていることに気づきました。逆にそれ以外は出来ないんだなと明確に理解しました。
生きていく中で起こる様々な問題や課題に対する答えはすでに自分の中にあります。それをクリアするための知恵と勇気はすでに備わっている。なぜ引き起こしたい現実を叶えることができないのか。それは無意識にアクセルとブレーキを同時に踏んでいるからだ、という事に気づいたのです。
これはロバート・キーガン教授らのおかげで成人発達理論として整理されています。不安の「理由」に向き合うことで無意識のブレーキ(私は無意識のあきらめ、と呼んでいます)を外し、知恵と勇気を開放する。その力を創造性に振り向ける。
これが人としての器の拡大につながり、自分の知恵と勇気というリソースを最大限発揮することが出来るようになるのです。
この知性の進化のプロセスで、私からは不安の多くが消え、常にダイナミックに意思決定できる冷静さが備わりました。そして自分が与えている影響を知ることができるようになり、自分の振る舞いを自由に変えることが出来るようになりつつあります。そして人への好き嫌いが本質的に無くなり、受け入れる力が高まって実感があります。そして前述の通り、ビジョンに目覚め、自分の役割が明確になった感覚があります。
会社は作るものではなく、作られていくもの。
1年前まで、エゴにまみれていた私は経営チームと組織文化を破壊していました。組織のモチベーションは下がり、良い製品など作れる環境ではない。お金は無くなる。それの繰り返しの13年でした。
私のコーチのグローバルコーチング社の本多 喜久雄さんに出会ったことで、成人発達理論や人は可能性の塊であるということに気づかせてもらいました。そしてインドの瞑想と哲学の学校「O&Oアカデミー」に通い、世界中のエグゼクティブリーダーたちと共に最先端の脳科学について学んできました。
インドからの帰国後、私を今の経営チームに事業を中心に据えるのではなく、人の成長を中心に添えると宣言しました。人は可能性であり、その可能性を引き出し続けていくのが俺の仕事であり、それ以外は全て任せると伝えました。
その後、会社は社長が作るのではなく、作られていく物だと理解しました。経営チームのミーティングで来期の役員人事について語ろうと提案したところ、自然と誰が何が得意で何が出来ないのかが語られ、勝手に決まっていきました。苦手は苦手と共有し、助け合う。強みは自分の責任でやり通してもらう。役割はこちらから任命するのではなく、現れてくることも理解しました。
今は信頼の経営チームになっている。過去最高のチームが出来上がった。みな口々に経営会議が楽しいと言っているし、自分が出来ないところはサポートしてくれるし、絶対ハシゴを外されないとみんな言っています。
事業は人の成長の題材
私はそれらを理解する過程で、自分の時間の使い方を考え直しました。
私の仕事は会社をビジョンで率いること、人の可能性を引き出すこと、新たな仲間を増やすこと、この三つに絞りました。逆に事業は全て役員に任せました。
当社はホールディングスですので、子会社社長や役員をコーチして可能性を引き出していく。つまり彼らのエグゼクティブコーチになろう。俺はきっとコーチが向いているのかもしれない。ひとに教えるのが本当に楽しい。
また社内制度などの改革より、社員の可能性を引き出す事に投資をする事を決めました。
当社は他の会社ほど福利厚生などは充実していません。福利厚生の改善などはいわゆるロキソニンだと思っています。歯が痛いのに薬で治すことは出来ません。根本的な組織成長の阻害要因は人の知性の問題です。人のあり方が進化しないかぎり、対処療法にならざるを得ないことを理解しました。今ではマネージャー全員と定期的に個別面談「1to1ミーティング(テーマは全てマネージャーからで、その話題に気づきを提供する)」を行い、全員にコーチをつけ、最近では20代の若手に向けた私塾「ビジョナリーリーダズ」もスタートさせました。意識の拡大、知性の進化にフルコミットする事にしたのです。
昨日、今年度の経営方針発表会を行いました。スカイアーク、ファームノートの事業責任者たちがそれぞれ語ったのは、なんと愛について。顧客を愛し、社員を愛し、それがコンテキストである我が社は、成長を楽しみながら愛溢れる会社を作ろうと宣言したのです。
これには驚きました。二人とも同じ事を同じタイミングで、しかも話の内容はもう経営者です。これを聞いてもう大丈夫だと確信しました。各事業は人を受け入れることが出来るハートセントリックなリーダーに導かれていくんだなと、今後の成長を確信しました
事実、ボロボロだったチームはこの半年でめざましく進化し、5年間で増やした顧客数をたった昨年度一年で増やしたのです(さらに第四四半期だけで年間の半分以上!)。私の振る舞いを変えるだけで、みんなが知恵を出し合って進化していく。とても勇気づけられました。
当社の方針は明確になりました。人の成長と、顧客の体験向上にのみ投資する。
そして事業の成長を通じて人の成長に貢献する。
今年度からは事業中心ではなく、人の成長を中心に据え行きます。事業は人の成長の題材であり、その難関をクリアし続けることで成長があると信じています。
生きるをつなぐは、人類の進化への貢献そのものです。人の知性が進化すれば地球がもっと良くなる。大好きな自然や動物と共生し、次の世代につなげていく。
人の成長を通じて世界がより良くなる。
それをやりたい。
今年度もよろしくお願いいたします。