Salesforceとウェブサイトの連携で生まれるビジネスの新たな可能性

本日、スカイアークでSalesforce関連のリリースを行いました。

「スカイアークが、Salesforceを活用したウェブサイト構築サービスと最新CMSを発表」

株式会社スカイアークシステムは、ウェブサイト向けコンテンツ管理システム(CMS)の最新版「MTCMS Enterprise 5.31」にSalesforceアプリケーションとの連携機能を搭載し、2012年7月より出荷開始します。

いやー、長かった。

このコンセプトに決めたのがもう1年前。12月に自社導入してから運用や構築ノウハウをためて、やっと発表にこぎ着けました。

さて。

Salesforceは言わずと知れた世界10万社以上の導入を誇るアプリケーションプラットフォームです。特に顧客管理を中心としたアプリケーションは企業の大小問わず、経営の合理化を大きく進めることができます。

Salesforceには「Site.com」や「Force.com Sites」といったウェブサイトを構築する機能があります。その機能から見るように、Salesforceの戦略的には「不特定多数の見込み顧客が見るウェブサイトから既存顧客までのプロセスを一元管理することで経営効率を上げていきましょう」という提案をしているように見受けられます。

今回のスカイアークのリリースは、Salesforceに保存されているオブジェクトのデータをウェブサイトに表示できる機能となります。これはMTCMSのエンジンでもある「Movable Type」のタグ(MTML)を利用して、Salesforceのオブジェクトからデータを出力することができるので、Visualforceの知識がなくてもMTMLさえ使える人であればCRMと連動したウェブサイトを構築できるという機能です。さらにSalesfoceの顧客情報をクローズドなサイトのログインに利用できる機能や、Salesforceに対してリードやケースと言ったデータをウェブサイトに設置したフォーム経由で保存することができます。

クローズドなウェブサイトにSalesforceに作ったカスタムオブジェクト「セミナー情報」を出力させるデモを作りました。こんな感じです。

これは、まずMTCMSに実装されているDynamicViewerという動的生成の機能で特定のウェブサイトに認証をかけ、Salesforceのユーザーでログインしています。そしてMTのテンプレートから拡張されたMTML(Movable TypeのUI開発言語)でSalesforecのオブジェクトを指定し、フィールドのデータを呼び出してきています。今回は「セミナー管理」というカスタムオブジェクトからデータを呼び出しています。機能の詳細はMTCMSの機能ページで説明しています。

ご覧頂いてわかるとおりページの表示速度も速く、結構快適に使えます。

さて、Site.comも今回の新機能も「Salesforceのデータを使ってウェブサイト」を作るということにはなんら変わりがありません。

なぜこのような機能をリリースしたのか、説明したいと思います。

ウェブサイトは「営業プロセス」の大事な要素のはずなのに・・・

まず世の中にはウェブサイトの種類がたくさんありますので、すべてがこの話に当てはまると言うことではありません。と前置きしておきます。この話はBtoB企業、または一部のBtoCに当てはまります。

最近よくあるのがウェブサイト構築ニーズと顧客管理改善のニーズ(すなわち営業プロセスの改善ニーズ)は別々ということです。

たとえば一般的なBtoBの営業プロセスとは、

ウェブサイトの閲覧 → 問い合わせ → 見込み顧客 → 提案 → 商談化 → 見積 → 受注 → サポート → 継続受注

となっているはず。

ところがニーズが別々になっていると言うことはおかしなことで、本来ウェブサイトは顧客への情報提供を行うことで「利益」を伸ばすための営業活動のはずなのに、ウェブマーケティングと営業は別部門が行い、連動していないことが見受けられます。それによってウェブサイトとセールスのプロセスの一元化が図れず、経営戦略にマッチした営業戦略がとりづらくなっています。

そもそもウェブサイトを作成するときのKPIに「問い合わせ数」や「PV」をあげる場合が多いと思いますが(ECサイトは別です)、これはウェブサイトと顧客管理が分離されているからこそのKPIであり、本来であればウェブサイト経由での売上がいくら、とあるべきではないでしょうか。

そしてExcelベースの顧客管理だと問い合わせがあった顧客の追跡がしづらく、さらに「7日後にメールを送信」などのセールスオートメーションもやりづらくなり、営業の仕組み化も難しくなります。

さらに顧客の囲い込み策も打ちづらくなります。顧客管理が徹底されていて、そのデータを元にウェブサイトを構築できれば、リード向け限定のクローズドなウェブサイトや、既存顧客向けのウェブサイトなど、お客様に特別に提供するウェブサイトでより会社のファンになっていただくことも可能です。

結局何が言いたいかというと、

問い合わせから継続受注まで、ウェブサイトの閲覧者が最終的にどのように利益に変わっていったかを管理し、プロセスの最適化をし続けることがどれだけ企業にとって大切か。

ということです。

私たちはずっとウェブサイトをCMSで構築してきましたが、このジレンマに悩まされ続け、本当に顧客のためのウェブサイトが作れているのか疑問でした。今回のSalesforceとの連携が可能になったことで、以下の図にあるように不特定多数の顧客用の「パブリックサイト」から特定の顧客向けの「カスタマーサイト」「パートナーサイト」、そして営業活動を支援する「イントラネット」と、すべてのレイヤーの顧客に対して最適なウェブサイトを提供、全体のプロセスを最適化できる体制が整いました。

integration.jpg

コンテンツは見込み顧客に会社や商品の良さを伝える唯一の道具です。

CMSでコンテンツを魅力的に見せ、コンテンツを発信しやすくする。

そしてSalesforceで見込み顧客が最終的にどうやって利益に変わっていったかまで管理できることにより、企業の競争力は大きく向上できるのではと思っています。

それがスカイアークが目指す「CMSインテグレーション」です。

今後の展望とForce.com Sites・Site.comとの棲み分け。

Movable Typeはまだまだ市場競争力があるので、すでに導入されているユーザーも非常に多いです。さらにSalesforceも導入されているユーザーも多いですが、いきなりVisualforceで既存のウェブサイトを移行して構築してください。なんて言ってもコストがかかりすぎて無理です。

ですのでまずはウェブサイトの構築の段階、またはすでに導入されているMovable Typeと連携することでSalesforceのメリットを感じていただいて、その次に営業プロセス改革を行っていただけるようにステップを踏めるようにしたいと思っています。

またSalesforce連携機能と言っても受発注業務までやらせるような高度なウェブサイトはVisualforceのほうが開発効率が良くなるパターンがありますので、ある程度のレベルまではMTMLでの開発、より高度なものはVisualforceでと棲み分けができるのではないかと思っています。実際にお客様への提案でMTMLの開発では要求が満たせないと言うことでVisualforceでの開発をお選びいただいているケースもあります。

現在はMTCMS Enterpriseの限定機能になっていますが、頃合いを見計らってたくさんの人にご利用いただけるようにと考えています。

また、今回Salesforceのコンサルティングパートナーにもなり、スカイアーク社内でもSalesforceアプリケーション開発において、専任のエンジニアをおいていますのでSalesforce関連の開発のご相談も承れます。

ご興味ある方は、ぜひ以下のページをご覧くださいませ。

CMSインテグレーションのページを見る

追伸

どうでもいいことなのですが、今日5月30日はB'zのLive DVD「B'z LIVE-GYM 2011-C'mon-」です。リリースの発表とDVDの発売日が重なりました。以前行ってきたライブレポートはこちらです!w

B'z LIVE-GYM 2011 -C'mon- 東京ドームに行ってきました。感動した!

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